Toshibon's Blog Returns

髪結いの亭主 物書きの妻

Toshibon's Blog Returnsの新着ブログ記事

  • 続・東京日記 夜の勝鬨橋⑵

    築地の市場が豊洲へ移転した後も、営業を継続している場外市場は変わらず賑わっていて、銀座~晴海通りの歩道には一目で観光客とわかる外国人が列をなして歩いているのだが、夜に勝鬨橋を渡っていると、築地にやって来る外国人観光客とも違う様々な人種の人びととすれ違う頻度が以前より高くなったように感じる。大江戸線... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑳ 横須賀公園にて(1982)

    今から44年前の1978年の夏、長崎のジャズ喫茶『K』の裏、薄暗い私の部屋にそのポスターを貼り、日がな―日眺めていた。それは電通の広告作文コンクール募集のポスターで、細長い日本列島を分割し再構成したほぼ円形の日本地図?がコラージュされていた。ある種の異様さを見る者に与えるこの地図は、また同時に新鮮... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑲ Evening Star (Fripp&Eno)

    夏になると隠岐の島や五島列島の福江島、沖縄南西諸島の島々などに渡った、20代のころの船旅を思い出す。静かな凪の海面に反射する陽光のきらめきを透かして次第に姿をみせる島影。その時口をついてでたのは「島へ渡る時はただの旅人(Passenger)、島から帰る時はまれびと(Visitor)」というフレーズ... 続きをみる

  • 続・東京日記 トシボン改めトシドン!?

    東京都中央区の日本橋高島屋S.C.本館4Fにある高島屋史料館TOKYOで開催されている「まれびとと祝祭―祈りの神秘、芸術の力―」(8月21日まで、月・火曜休館)を覗いてみた。 文芸評論家で多摩美術大教授の安藤礼二氏の監修で、写真家・石川直樹氏による日本各地の来訪神儀礼(フサマラー、ミルク、マユンガ... 続きをみる

  • 気まぐれに1冊⑩ 『東京日記6 さよなら、ながいくん。』

    ―東京が雨なので「ながいくん」を連れて出かける。電車に乗り、用をたし、また電車に乗って家に帰ってきて、気がついてみると「ながいくん」の姿がない。しばらく茫然とし、それから「さよなら、ながいくん」とつぶやき、少し泣く― これは川上弘美さんの『東京日記6 さよなら、ながいくん。』に載っていた「十一月某... 続きをみる

  • パナリ書房のパナリとは?

    昨年秋に初めて出店して味をしめたのか、再度古本市に出店した。前回は青空古本市だったが、今度は城址公園のお堀端に建つ市の文化施設が会場。さして広くないフロアに、16店もがサークル状に並ぶなか、toshibonの「パナリ書房」の店構えはというと、こんな感じ。↓ 前回はマンガ(主に70年代~80年代の少... 続きをみる

  • アイルランド、旅の想い出(2002)

        アイルランド島の内陸部を西から東へ走り続け、ダブリンへあと40~50キロ、1時間くらいで着くというところにキルコックという街があった。ただ通り過ぎるつもりで車を乗り入れたら、おりしもサマー・フェスティバルの真っ最中。街の広場でダンス・コンテストが行われており、車を降りて私たちも大勢の観客に... 続きをみる

  • 気まぐれに1冊⑨ 『銭湯の女神』

    東京都文京区では、「シニア入浴事業」という区民サービスを実施している。65歳以上の区民が、区発行の「シニア入浴カード」を区内4か所の公衆浴場(銭湯)に持参すると、1回100円(通常480円)で、年52回(月4回程度)利用できるというもので、文京区民である妻は、今年に入ってこの入浴カードを利用して銭... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑱ 遠い音楽

    古いカセットテープを整理していたら、なかにZABADAK(ザバダック)の『遠い音楽』(1990年)があった。1985年にデビューしたというZABADAK は、吉良知彦・上野洋子(それに数人のサポートメンバー)によるユニットで、『遠い音楽』は5thアルバムだったが、私が聴いたのはこのアルバムが初めて... 続きをみる

  • 「鞍馬天狗」と「バットマン」

    時々アクセスするテシさんというイギリス滞在中のイタリア人女性のYouTubeチャンネルを見ていたら、ロンドンの街をマスクをして歩いている彼女に、すれ違った男性が「マスクを外せ!」と声を放つ動画があり、彼女と同様にちょっとした恐怖感を覚えた。欧米人にとってマスクがこれほどまでに抵抗感があるという理由... 続きをみる

  • 子どものころの"ひとり野球"

    また野球の話。地方の過疎化が進み、私の通っていた小学校も20年前に閉校になってしまったが、小学生だった昭和30年代当時はとにかく子どもが多くて、同じ集落に住む男の子たちが集まると、屋外でいろんな遊びをした。なかでもよくやったのが野球で、打って一塁に向かう走者に球をぶつけるとアウト(なので球は柔らか... 続きをみる

  • 私の好きな野球映画

    大リーグ、シアトル・マリナーズのイチローが258本の安打を打ち、ジョージ・シスラーの持つ年間最多安打記録を84年ぶりに更新した時、球場に流れていた曲が、映画「ナチュラル」のテーマソングだったということを後になって知った。 「ナチュラル」(監督:バリー・レビンソン、1984)は、まさにシスラーやベー... 続きをみる

  • EACH TIMEとSHO TIME

    大瀧詠一は野球が好きな人であった。長嶋ファンだったようだが、MLBもよく見ていたようで、NHKBSで中継していたマリナーズ時代のイチローの全試合を録画していたとか…。そんなコアな野球ファンだった大瀧に、野球を題材にした「恋のナックルボール」という曲がある。1984年にリリースしたアルバム『EACH... 続きをみる

  • 続・東京日記 晴海トリトンとオリンピック

    晴海トリトンスクエア(正式には「晴海アイランドトリトンスクエア」)は、東京都中央区晴海一丁目にある3棟の高層オフィスビルを中核とした複合商業施設ならびに住居群の名称。トリトンスクエアができる前、このエリアには日本住宅公団(現・UR都市機構)の晴海団地や東京電力の発電所などがあったが、建物の老巧化に... 続きをみる

  • 続・東京日記 夜の桜小橋

    晴海トリトンスクエアの朝潮運河側は、運河に沿って桜の木が一定間隔で植えられた並木道になっていて、「さくらの散歩道」という名の通りになっている。そこから対岸の勝どきとを結ぶ「桜小橋」は、歩行者専用橋として4年前(2017年10月)に竣工した。 夜の桜小橋 橋の長さ87.8m。 2019年には土木学会... 続きをみる

  • 哀愁の『JUNK HEAD』

    遅ればせながら『JUNK HEAD』をようやく観た。このところ外で映画を観る機会から随分遠ざかっていて、新作映画の情報にも疎いのだが、さすがにこの映画には食指を動かされて久しぶりに映画館に足を運んだ。 本業が内装業の堀貴秀監督が、原案、絵コンテ、脚本、編集、撮影、演出、照明、アニメーター、デザイン... 続きをみる

  • BAND-MAIDとLOVEBITESに刺さるw

    この2月は、バンドメイド(BAND-MAID)とラブバイツ(LOVEBITES)月間というほど、ハードロックメタル系のこの2つのバンドを毎日聴いている。時々覗いているYouTubeチャンネルみのミュージックで紹介されていて、初めて知ったのが今月上旬。この手の音楽は普段ほとんど聴くことがないtosh... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑰ らっかさんブルース(1975)

    「らっかさん」とは、1970年代の中ごろ、横須賀にあったロック喫茶(いわゆるカフェ&バーのような店)の名前である。そのころ鎌倉に住んでいた私は、時々横須賀線に乗って横須賀に行った。特に目的があるというわけではなく、横須賀中央公園で東京湾を眺めながらボーっとしたあと、日が暮れると京急横須賀中央駅から... 続きをみる

  • テイラー・スィフトの「folklore(フォークロア)」

    今さらかと思われるかもしれないが、テイラー・スィフト(Taylor Swift)の「folklore(フォークロア)」は傑作だ。今年後半、車のなかで一番聴いたのはこのアルバムかもしれない。 何といってもアルバムタイトルがいい。1980年代の初めに「New Folklore Express」という名... 続きをみる

  • 岬めぐり

    20代の初めころ、神奈川県の鎌倉市に1年ほど住んだことがあった。そこでアルバイトをしていた喫茶店では、親睦と慰労をかねた日帰り遠足(レクリエーション)を時々行っていて、その行き先のひとつが鎌倉と同じ三浦半島にある観音崎だった。その時に東京湾を航行する船の多様さも含めた数の多さと、暖地生の植物が繁茂... 続きをみる

  • 北と南の津波石

    東京京橋のアーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)で、第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展(2019年開催)の日本館で展示した「Cosmo-Eggs宇宙の卵」 の帰国展が、10月25日まで開催されていた。これはそこで展示されていた“津波石”の写真。 津波石とは、津波によって陸上に打ち上げら... 続きをみる

  • ジョシュ・ターナーの「風をあつめて」

    ーAbout Josh Turner Guitar(ジョシュ・ターナー・ギターについて)ー 「ジョシュア・リー・ターナー(Joshua Lee Turner)は、ニューヨーク州ブルックリンに拠点を置くマルチインストゥルメンタリスト、シンガー、ソングライター、プロデューサーです。ジョシュはYouTu... 続きをみる

  • 蕎麦屋でひとり

    前にも書いたが、私の一番の飲み友だちは妻だ。 結婚前に妻と東京で初めてデートした場所は銀座のビアホール「銀座ライオン(7丁目店)」だった。そのころ日比谷で仕事をしていたビール好きな彼女が提案したように記憶している。2度目のデートは彼女が休みの日の昼下がり、神田の「かんだやぶそば(神田藪蕎麦)」で待... 続きをみる

  • 続・東京日記 大国魂神社のからす団扇

    今から44年前、1976年の初夏から冬にかけて東京都下、府中(武蔵府中)に住んだ。甲州街道と京王線に交差して大国魂(おおくにたま)神社まで続くケヤキ並木(馬場大門のケヤキ並木として国指定天然記念物)を見て、いっぺんでこの町が好きになり、神社のすぐ東側にアパートを探しあて、窓からケヤキの杜が見える部... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑯ プラスティックラブ

    もうすぐ夏至。2年前のこのブログにこんなことを書いた。 「 夏至に至る一週間くらい前の期間が一番日が長く感じられる。曇り空や雨の日も嫌いじゃないので、私は今ごろが一年でもっとも好きな季節ではあるのだが、なぜが毎年夏至の前後は精神的に落ち込むことが多い。過去の出来事ばかりが思い出され(それも恥ずかし... 続きをみる

  • 晩酌は「天の戸・吟泉」で

    妻はいわゆる山屋さんで、居酒屋で集うことができないこの2か月ほどは、山岳会の山仲間と「オンラインおしゃべり飲み会」と称してLINEを使ってスマホで飲み会をやっていた。 私の唯一の飲み友だちは妻である。妻以外に酒をおいしく酌み交わすような友だちや仲間がいない。なので、ハナからオンライン飲み会など無縁... 続きをみる

  • 渋谷の“AKIRA”

    2年前の冬、渋谷で開催されていたイルミネーションイベント「青の洞窟 SHIBUYA」を見るため、渋谷駅から代々木公園方面へ公園通りの坂を登って行く途中、突然、眼前にまがまがしくも懐かしい「絵」が現れて一瞬たじろいだ。 それは渋谷パルコ建て替え工事現場の仮囲いの壁に描かれた「AKIRA(アキラ)」の... 続きをみる

  • 高遠のコヒガンザクラ

    毎年4月上旬から下旬にかけて「さくら祭り」が催され、全国から花見客が訪れる桜の名所、長野県高遠町(合併して伊那市高遠)の高遠城址公園。 が…今年(2020年)は新型コロナウィルス感染防止のため、公園は閉鎖され、観桜会は中止となってしまった… 城址公園から高遠の町と南アルプスを望む 城址とその周辺に... 続きをみる

  • 柱状節理の城ヶ崎海岸

    このところの欝々とした日々から抜け出して、気まぐれに湯河原あたりをぶらぶらして温泉にでも浸かろうと、東海道線の電車に乗る。小田原あたりを過ぎたところで冬の日差しを浴びてきらきら輝く太平洋を見たら、急に気が変わって海のそばに行きたくなり、熱海で伊豆急行に乗り換えて伊豆高原駅へ。そこから20分ほど歩い... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑮ 夕陽は赤く

    苦手な歌というのがある。あくまで私個人の感覚的な問題と断ったうえでの話だが、耳障りというか、聴いているとなんか気持ち悪いなぁ、と思ってしまう歌。あまり大きな声では言えないけれど、例えば東日本大震災の復興ソング「花は咲く」とか…。どこかから借りてきたような居心地の悪いメロディーと背中がムズムズしてく... 続きをみる

  • 続・東京日記 谷中の気になるお店

    日暮里駅北口から歩いてすぐのところにある蕎麦屋「川むら」に久しぶりに立ち寄った。改装してきれいになった店内はほぼ満席。幸い奥の席がひとつだけ空いていた。 燗酒は、徳利を湯せんで温める酒燗器で供される。 燗酒とお蕎麦でいい気持になって、谷中銀座を通って地下鉄千駄木駅まで行く途中、気まぐれに右にそれて... 続きをみる

  • 初詣は一関 配志和神社

    令和になって最初の正月は、妻と義姉と一緒に平泉・一関で過ごした。 宿泊した宿は衣川の高台にあったので、元日の朝、中尊寺・金色堂のある丘陵、金鶏山、義経堂のある高館(たかだち)など、初日に輝く世界遺産平泉の中心域が一望できた。 平泉・一関地方は江戸時代から続く「もち食文化」の地で知られる。道の駅厳美... 続きをみる

  • 松本で出会った下北

    2019年もあと2日を残すばかりとなった。 「日めくりカレンダー2019年版」(作画:伊藤佳美)より 上の写真のカレンダーは昨年の12月、信州松本に滞在した時に「栞日(sioribi)https://sioribi.jp/」という喫茶店兼本屋兼ギャラリーのようなところで買い求めたものだ。松本の街を... 続きをみる

  • 奈良井宿を歩く

    前にこのブログで紹介したRambalac(ラムバラック)さんのYouTubeチャンネルに、奈良井宿(長野県塩尻市)がアップロードされていた。ちょうど1年前、私も同じ季節に同じコース(下町から上町まで)でこの宿場町を歩いたので、再びその場に舞い戻ったような心持になった。 奈良井宿は江戸時代の5街道の... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑭ 駒沢あたりで

    晩秋の季節に聴くと心に染み入る曲を。 「駒沢あたりで」https://www.youtube.com/watch?v=91ne59Fz_Yo 加川良(1947 – 2017)の通算6枚目のアルバム『駒沢あたりで』(オリジナルは1978年発売)の収録曲で、バックをつとめるのはレイジー・ヒップ。アルバ... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑬ ハーヴェスト・ムーン

    退院してからしばらく静養していたが、体力回復のために数日前から日が落ちて涼しくなってからウォーキングを始めた。その際、ICレコーダーで音楽を聞きながら歩くのだが、歩行のリズムとマッチした曲が鳴ると、自然と歩くのがとても楽しくなる。レコーダーに入れていた曲のなかで、歩行と曲のリズムが一番ぴったり合っ... 続きをみる

  • 入院なう!

    この10年来、悩まされ続けてきた病気の外科的治療のため、東京郊外のT市にある某大学病院に入院している。手術は無事終わり、術後の経過も順調。今は退院に向けてひとつずつ回復への段階を踏んでいるところ。 手術によって身体の一部が改変されてしまい、これまで普通にできていたことができなくなる。慣れるまで日常... 続きをみる

  • 吉田初三郎の種差海岸

    青森県八戸市へ行ったついでに種差海岸まで足をのばしたら、葦毛崎展望台の周辺でニッコウキスゲが今を盛りと咲いていた。 紫色の花はニッコウキスゲと同時期に咲くノハナショウブ 葦毛崎から大須賀海岸、白浜、深久保漁港を経て種差天然芝生地まで続く遊歩道(「みちのく潮風トレイル」の一部)が整備されている。海づ... 続きをみる

  • 気まぐれに1冊⑧ 『すゞしろ日記』

    この間、たまたま点けていたTV(NHKの大河ドラマのタイトルバック)に山口晃さんの絵が出てきた。それで久しぶりに『すゞしろ日記(弐)』を手にとってみた。藝大出身の人気画家(以下、親しみをこめて画伯)のエッセイ漫画=絵と吹き出しによるエッセイ集=とでもいうべきもので、これまで3冊出ている。私が持って... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑫ 夜と雨のワルツ

    雨の曲シリーズ2曲目は、雨がさっとあがった後にキラキラまぶしい太陽に包まれる「雨に消えた初恋」とは打って変わって、暗く沈んだ夜の雨を歌った曲を。 畠山美由紀 / 夜と雨のワルツ 「夜と雨のワルツ」は、畠山美由紀の6枚目のオリジナルアルバム(2013年6月発売)『rain falls』の収録曲。詞・... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑪ 雨に消えた初恋

    梅雨の季節ということで、気まぐれに雨の曲でもと思ったとき、真っ先に浮かんだのがカウシルズ(The Cowsills)の「雨に消えた初恋(The Rain, The Park and Other Things)(1967)」。 カウシルズは、1965年に結成されたカウシル家の母親と兄弟からなるファミ... 続きをみる

  • Walking at Tsukiji and Tsukishima at night

    Rambalac(ランバラック)さんというYouTuberの投稿動画に、勝鬨橋が登場するものがあった。 築地本願寺をスタート。築地市場の波除稲荷神社から勝鬨橋を渡って月島へ。西仲通りを経て佃島、中央大橋へ至るコースをただ歩くだけの動画。時間にして1時間余りという長尺なのだが、長くは感じない。もんじ... 続きをみる

  • 続・東京日記 夜の勝鬨橋

    勝どき界隈でひとりで落ち着いて飲めるところを探すのは難しい。なので、近場で歩いて帰れる築地をたまにうろうろしたりする。飲んだ後は夜の勝鬨橋を渡る。 橋は1940年(昭和15年)の完成。全長246メートルのうち、中央部の約50メートルがハの字に開く可動橋で、大型船舶が航行できた。が、1970年(昭和... 続きをみる

  • 福島の桜を訪ねて

    〈Toshibon's Blog Archive  2010年 04月 29日 「旅の記」から〉 桜を求めて福島に出かけた。福島県の浜通り~中通り地方はちょうど満開だったが、会津はまだつぼみ~3分咲きだった。 福島市の花見山(↑)。花木の生産農家が農地(私有地)を善意により無料で開放している花の公... 続きをみる

  • 気仙沼 五十鈴神社と大島大橋

    4月7日、宮城県気仙沼市の大島と本土を結ぶ気仙沼大島大橋が開通したのをニュースで知った。https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/1178703.html 気仙沼市の大島といっても、東北地方の太平洋側(三陸)の住民でなければ、あまりなじみのない島かも... 続きをみる

  • イチローの引退に思う

    イチローが引退した。最後の出場試合、試合後の会見はTV中継され、翌日のニュースはイチロー引退の話題で占められた。そこでは誰もがイチローを称賛し、リスペクトの言葉を口にした。そこで思ったのは… イチローってこれほどまでに愛されていたっけ? 野球人、著名人のなかに、そのプレースタイルや言動を快く思わな... 続きをみる

  • 盛岡 石めぐり②

    盛岡に行くと立ち寄らずにはいられないのが、下の橋のそばにある「蕎麦喰い処 やまや」。人気店なのでお昼どきを外して行ったのに、さほど広くない店内は老若男女でいっぱい。居酒屋より蕎麦屋で酒を飲むのが好きなtoshibonだが、このたびは車で帰らなければならないのでぐっと我慢し、更科二枚と鰊の煮付けを注... 続きをみる

  • 気まぐれに1曲  タルコフスキー・カルテット

    友人から「タルコフスキー・カルテット(Tarkovsky Quartet)を知っている?」とメールが届いた。YouTubeのリンクが貼られていたので見て(聴いて)みる。 Tarkovsky Quartet – Nuit blanche ピアノ、チェロ、アコーディオン、ソプラノサックスという変則的な... 続きをみる

  • 続・東京日記 夜の晴海埠頭

    東京駅南口から有楽町、銀座を経由して晴海埠頭、豊海埠頭、豊洲方面行きの都バスが出ている。利用するようになった20年前は、夜10時ころが最終バスだった。それが湾岸エリアに高層マンションが林立するようになって利用客が急増し、便数も増え(それでも夜はいつも満員だ)、11時~12時台には料金は高くなるが深... 続きをみる

  • 続・東京日記 勝どき交差点の上と下

    今からちょうど20年前の90年代末、はじめて宿ったころの勝どきは交通不便なところで、公共交通機関といえば東京駅からの都バスしかなかった。それが一変するのは、2000年12月の地下鉄大江戸線勝どき駅の開業。それから周辺の再開発が一挙に進み、翌年4月にオフィスビル+商業施設+住居群が複合した「晴海アイ... 続きをみる

  • 盛岡 石めぐり①

    「ますむらひろし展」で訪れた岩手県立美術館で、美術館の広報誌「aprire(アプリーレ)」を手にとったら、「石の街もりおか―石像編」と題した特集が組まれていた。私は数年来、ジオパーク(GeoPark)に関わる仕事をしてきたこともあって、石好き、地層好き、地形好き…。 特集を読むまでもなく、これまで... 続きをみる

  • ますむらひろし展

    2019年の初めに盛岡へやってきたのは、岩手県立美術館で1月3日から「ますむらひろし展―アタゴオルと北斎と賢治と―」が開催されるのを知ったからだ。 チラシには「本展では〈アタゴオル × 北斎シリーズ〉を中心に、宮沢賢治童話のシリーズなどますむらの緻密で独創的な作品世界を紹介。そのほか、マンガ原稿や... 続きをみる

  • 年の初めに盛岡へ

    この年末年始、宮城県鳴子温泉で過ごしてから久しぶりに盛岡を訪れ、新しい年を迎えた街を歩いた。 盛岡八幡宮 ここへお詣りするのは、今から20数年前の初夏、「チャグチャク馬コ」を見たとき以来だ。正月も3日だというのに広い境内は初詣の人であふれ、拝殿が遠い。並ぶのが嫌な性分なので、大通りまで歩いて本屋(... 続きをみる

  • 十二月の旅人よ

    2018年もあと1日。5年前の2013年12月30日は大瀧詠一が亡くなった日だ。なぜ覚えているのかといえば、その日は朝から録音していた山下達郎との「新春放談」やNHKFMで放送した「日本ポップス伝」をずっと聞いていたからだ。夜になってネットニュースで知り、衝撃を受けたのが、ついこの間のように思える... 続きをみる

  • 気まぐれに1冊⑦ 沖縄文化論―忘れられた日本

    岡本太郎の『沖縄文化論―忘れられた日本』(中公文庫1996年/親本は1972年に刊行)を読んだ時の衝撃は、今でも忘れられない。 1959年、岡本太郎は米軍占領下の沖縄の島々に足を踏み入れ、初めてその文化・風土に出会う。そこで体感した沖縄の本質を、岡本太郎はこの本で「何もないことの眩暈(めまい)」と... 続きをみる

  • 続・東京日記 夜の相生橋

    門前仲町で一杯やったあと、清澄通りを酔い醒ましがてら塒(ねぐら)のある勝どきまで歩く。途中、相生橋を渡る。この橋は隅田川の派川に架かる橋で、すぐ近くの本流に架かる永代橋や清州橋と較べて知名度は落ちるが、とても好きな橋だ。これを渡ると江東区越中島から中央区佃島~月島に入る。 相生橋の歴史についてはこ... 続きをみる

  • 顔を知られたくない映画監督

    成瀬:いくつになってもまだ買い物ができないんだな。一人でデパートに行っても、そこらの店屋でも買うのはきまりが悪くてしょうがない。 人と話すのは私は口下手で嫌いですが、一人で歩くのは好きでして、暇があると一人でぶらぶら歩いているのですよ。顔を知られたりすることが大嫌いですからね。なるべく知られないよ... 続きをみる

  • 希望と悲しみ

    身体から異物が消えて、忘れかけていた想いでが、匂いの記憶のように ふいにおとずれくる、朝……。 懐かしい友人「クヌルプ」が親しげに目の前に現れ、私を遠くへ誘う。 石畳の街路、窓のあかり、冬の旅。 どうしてこんなに悲しいのか。なのにささやかな希みが暖かく私を包み込む。 クヌルプ (新潮文庫) 新潮社... 続きをみる

  • いちじくの甘露煮

    庭にいちじく(無花果)の木がある。数年前に亡くなった私の母はとても気性の激しい人で、カラスが果実を食べるのに腹を立て、それならと(カラスに食べられるくらいならと)業者に頼んでいちじくの木を伐ってしまった。ところが、いちじくは生命力旺盛な木のようで、その根元から蘖(ひこばえ)が生え、前にも増して立派... 続きをみる

  • イタリアの湯治場つながり

    友人のブログに、最近買った本が列記されていて、その中にチェーホフ「可愛い女・犬を連れた奥さん」(岩波文庫)があった。また、20年ぶりに見たというアンドレイ・タルコフスキーの「ノスタルジア」(1983)の感想もアップされていた。 「犬を連れた奥さん」と「ノスタルジア」。このふたつ、作者がロシア人とい... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑧ 九月の雨

    「夏が終われば 秋が来る  ほんとに早いわ~♪」(森高千里「あるOLの青春」1990)。 季節はすっかり秋の気配。あんなに暑かった夏が随分前のように思え、懐かしいモリタカの歌を口ずさんでいる今日このごろ。 子どものころは夏が来ると、それが永遠に続くような気がしたものだ。ノー天気でどこかネジがゆるん... 続きをみる

  • 気まぐれに一冊⑤ 『島の精神誌』

    「私は、島に次第に近づいてゆく瞬間が好きだ」 岡谷公二氏の『島の精神誌』(1981/思索社)の冒頭はこのフレーズから始まる。島に渡り、島をめぐる島旅に魅せられた人なら誰でもこの言葉にうなずくに違いない。1万トンの大型フェリーであれ、100トン足らずの小さな連絡船であれ、港を離れ、未知の島に向かう時... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑦ 夏草の誘い

    今日で8月も終わり。 毎年、晩夏に聴きたくなるのが、ジョニ・ミッチェルの『夏草の誘い The Hissing Of Summer Lawns』(1975年)というアルバム。 見開きのジャケットを開くと、夏の陽光を浴びてプールの水面に浮かぶジョニ・ミッチェルの大柄な身体が表題曲の「The Hissi... 続きをみる

  • 気まぐれに一冊④ 『東京的日常』から28年

    関川夏央氏と山口文憲氏(以下敬称略)がファミリーレストランでうだうだしゃべっている雑談ネタをまとめた対談(筆談)集『東京的日常』を読んだのは、私が40歳になるちょっと前のことだった。2人ともいわゆる団塊世代ど真ん中、ウザーッとしたグチと自己憐憫にあふれたボヤキ節による対談は、ボケとツッコミのボヤキ... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑥ Their Hearts Were Full Of Spring

    The Beach Boys - Their Hearts Were Full Of Spring (1966) - YouTube60年代の中ごろ、NHKTVで「アンディウィリアムス・ショー」というアメリカの音楽番組が確か日曜日のお昼すぎに放映されていた。そのころ小学校の高学年だった私は、この番... 続きをみる

  • サン・ソレイユの心地よさ

    友人からのメールに、ルイ・マルの『死刑台のエレベーター』を見た感想として、「いちばんよかったのはジャンヌ・モローのモノローグでした。全編モノローグのみの映画なんてないのだろうか?」と書いてあった。 そこで思い出したのがクリス・マルケルの『サン・ソレイユ』(1982)という全編モノローグのみの映画。... 続きをみる

  • 庭の紫陽花

    庭の紫陽花は毎年7月上旬~中旬ころが満開となる。15年ほど前の母の日に、妻が私の母に贈った小さな鉢植えの紫陽花を庭に植え替えたものだが、いつの間にか花の数(正確にはガクだが)が増えてこんな大輪の花を咲かせるようになった。花を見るのは好きだが、育てることは不得手というか興味がないので、植え替えてから... 続きをみる

  • 小田原で一杯

    6月末で梅雨が明け、連日の真夏日の東京をちょっと離れ、小田原まで足を延ばした。お目当ては「だるま」で金目鯛の煮付けを食べること。 「だるま」は創業が明治26年という小田原ではよく知られた老舗の料理屋。現在の建物は関東大震災のあとに再建されたものというが、国の登録文化財に指定されているだけあって、唐... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑤ 「6月の雨の色」

    1年の半分を過ぎてしまった今月のきまぐれに1曲は、今から40年以上前に小さなラジカセに録音された「6月の雨の色」という曲を。 海辺の村で育った子どものころの梅雨の季節の心象風景を歌っているこの曲は、1971年12月号の『ガロ』誌上に発表された鈴木翁二のマンガ「雨の色」にインスパイアされて生まれた。... 続きをみる

  • 夏至のころ

    今日は夏至。 夏至に至る一週間くらい前の期間が一番日が長く感じる。私は今ごろが一年でもっとも好きな季節ではあるのだが、なぜが毎年夏至の前後は精神的に落ち込むことが多い。 過去の出来事ばかりが思い出され(それも恥ずかしさと後悔を伴って)、明け方早く目覚める、いわゆる早朝覚醒という不眠症に陥る。そのた... 続きをみる

  • さよなら ぼくのともだち

    昨日の新聞に森田童子が亡くなったという記事が載っていた。びっくりした。 びっくりしたのは森田童子が亡くなったからではない。森田童子が亡くなったことが新聞記事になっていることにびっくりしたのだ。80年代初めに活動休止してから、その存在が忘れ去られていたと思っていたからだ(実際にはTVドラマ「高校教師... 続きをみる

  • 続・東京日記 日比谷の新名所

    有楽町で散髪したついでに、話題の東京ミッドタウン日比谷へ行ってみた。オープンしてから2か月経ったというのに、それも平日だというのに、たくさんの人であふれている。 3階にある複合型店舗「HIBIYA CENTRAL MARKET(ヒビヤ セントラル マーケット)」の一角に、理容室があった。ここで散髪... 続きをみる

  • 気まぐれに一冊③ 『K2 2006』

    図書館に『K2 2006 ―日本人女性初登頂・世界最年少登頂の記録―東海大学K2登山隊』という本があったので、借りてきた。 世界第2の高峰、ヒマラヤのK2(8611m)は、極端に登頂成功率が低いことから、世界で最も困難な山として知られている。2006年夏、東海大学山岳部創部50年記念事業のK2登山... 続きをみる

  • 小津映画の気になる身体Best5

    1.原節子の二の腕 『東京物語』で「私ずるいんです」と言って泣くときに、顔を覆う手の大きさ、二の腕の太さ。私の細い腕の3倍はありそうだ。 2.原節子の背中 ホームドラマでの一家団らん、食事の場面などでは正面に人物は置かないのが普通だが、『麦秋』などでは例外的に原節子がカメラに背中を向けて座っている... 続きをみる

  • きまぐれに1曲④ 美しい5月に

    1年でもっとも美しい季節かもしれない5月。ということで、きまぐれに1曲はシューマンの「美しい5月に」を。 なんでも一時的に熱中する癖のあるtoshibonだが、20代初めのころシューマンにどっぷりハマった。曲を聴くだけでなく、伝記を読み、評論を漁った。今でもクラシックの作曲家ではロマン派、なかでも... 続きをみる

  • きまぐれに1曲③ 4月になれば彼女は

    いつの間にか春植物(Spring ephemeral)は咲き終わり、自宅の庭の椿の花がボタボタ落ち、今はソメイヨシノが散り初め。なんだか身体感覚が季節のスピード、植物の生長についていけず、春の輝きに置いてけぼりをくっているような不安定な心持ち。まあ、春になるとなんとなくダウナーな気分になるのは、例... 続きをみる

  • 気まぐれに一冊② 「偶然の旅人」

    村上春樹の短編集『東京奇譚集』の冒頭に「偶然の旅人」という短編が収められている。このタイトルを見て、すぐに思い浮かんだのが『偶然の旅行者』(1988、監督ローレンス・カスダン)というアメリカ映画。ウィリアム・ハート扮する旅行ガイドブックのライターが、妻(キャスリン・ターナー)と愛人(ジーナ・デイビ... 続きをみる

  • 折口父子の墓碑と歌碑

    クリント・イーストウッドが監督した「硫黄島からの手紙」(2006)を見た時、折口信夫の門弟で養子となった藤井春洋が硫黄島で戦死したことに思い至り、それが涙腺をゆるめるきっかけになったのか、映画の後半になってから、私は恥ずかしいほどにボロボロと涙を流してしまった。映画館であれほど泣いたのは、10代後... 続きをみる

  • きまぐれに1曲② Such a Lonely Soul

    ここ1か月ほどよく聞いているのが、アンナ・ターンハイム(Anna Ternheim)というスウェーデン、ストックホルム出身の女性シンガーソングライターが歌う「Such a Lonely Soul」。 アンナ・ターンハイムは2004年にデビューしてから現在まで6枚ほどアルバムを発表しているが、国内盤... 続きをみる

  • 孤独癖

    時々覗くパスカル氏のブログに次のような文が載っていた。 「相手を理解し相手から理解されたいと、切実に思えばこそ、人は孤独を知るのである。孤独は人間と人間との関係に発生するのであって、人間のいない山里に隠れ住む心理は、孤独とは別である。孤独は独居ではない。むしろ人は孤独を避けるために、山中に入って隠... 続きをみる

  • 続・東京日記 図書館でスタンプラリー

    地下鉄日比谷線広尾駅から歩いて数分、有栖川宮記念公園の坂をのぼった高台に東京都立中央図書館がある。先日、随分久しぶりに行ってみたら、「東京いまむかし~鉄道網の発達による賑わいの変遷~」と題したなかなか見ごたえのある企画展をやっていた。 そこで受付のお姉さんから渡されたのが、「東京名所スタンプラリー... 続きをみる

  • フグの歯の記憶

    もと水族館に勤めていた人が開設したHP「水生生物雑記帳」(現在は閉鎖)にフグの歯の写真が載っていた。フグ(クサフグ)の歯は切れ味するどい刃のようになっていて、噛まれたら指がちぎれることもあるという。  私が小学校高学年のころ、5つ下の妹がこのクサフグに噛まれたことがあった。  港の防波堤で釣りをし... 続きをみる

  • 真冬の加茂水族館

    山形県庄内にある鶴岡市立加茂水族館に行ってきた。地域資源の活性に参考となる庄内地方の視察というのが名目で、道の駅、海鮮市場、物産館、産直などをまわる総勢6名の日帰り旅行。真冬の季節ということもあり、屋内施設ばかりなのは仕方がない。 この水族館の歴史を調べると、その軌跡(奇跡?)が波乱万丈というか、... 続きをみる

  • 映画「17才の性モラル」追想

    練馬のピンク映画専門館、練馬劇場で観た「17才の性モラル」(監督:三古谷双三九/1971)の話の続きを。 1970年代の初めは、アダルトビデオなんてものはもちろんまだなく、日活ロマンポルノの制作が1971年に始まったばかりで、ピンク映画が全盛のころだった。18歳になって成人映画を心置きなく観られる... 続きをみる

  • 続・東京日記 半世紀ぶりの練馬駅

    西武池袋線の江古田駅と桜台駅の中間にある「ハローオールドタイマー」という店に行ったら、午後から臨時休業だった。この店は友人の知人の息子さんがオーナーということで知り、1年前にも訪ねたのだが、その時も貸し切りで入店できなかった。続けてフラれるのはよっぽどついてないのかな。   「HELLO OLD ... 続きをみる

  • きまぐれに1曲① 雨あがりのビル街

    2017年もあと数時間。どんな年だったのか、記憶の遠近がはっきりせず、忘れようにも思い出せない(バガボンのパパ風に)。 10月に70歳で〝不滅の男-エンケン〞遠藤賢司が亡くなったのを知って、本当に何十年かぶりに2ndアルバムの「満足できるかな」(1971)を通しで聞いた。当時もろに影響を受けてコー... 続きをみる

  • 考現学のキッチュな日々

    1970年代の中ごろ、神奈川県鎌倉市に1年ばかり住んだことがあった。あちらこちらの都市を転々と引っ越し歩く生活を続けていた私が、そこで熱中していたことはと言えば、鎌倉の銭湯を調べることだった。  市内にある5軒の銭湯の番台の高さ、座っている人物の特徴、脱衣カゴやロッカーの位置利用者の服装と晨物の種... 続きをみる

  • 裏小津映画ベスト5

    15年くらい前にNHKBSで小津安二郎監督のトーキーを含むほとんどの作品の放映があり、その時に視聴者の投票による以下のような「小津映画ベスト10」が発表されたことがあった。 ①『東京物語』②『晩春』③『麦秋』④『生れてはみたけれど』⑤『浮草』⑥『彼岸花』⑦『秋刀魚の味』⑧ 『秋日和』⑨『早春』⑩『... 続きをみる

  • 追憶の京都「彷徨館」

    『ウンタマギルー』(1989)の高嶺剛監督に1度だけ会ったことがある。 1975年の夏だったろうか…。京都の百万遍交差点のそばに「彷徨館」という名の喫茶店があり、そこで私がつくった8mmフィルムの上映会を催したことがあった。上映までのいきさつについては、よく覚えていない。たぶん、「彷徨館」がインデ... 続きをみる

  • 武蔵府中再訪

    1970年代の中ごろ、東京都下、多摩地域の府中市に住んだ。府中の名は遠く律令時代、大化の改新(645年)の後、ここに武蔵国の国府が置かれたことによる。他の地方の府中(広島県に同名の市がある)と区別する為に「武蔵府中」とも呼ばれるこのまちを、30数年ぶりに訪ねてみた。 京王電鉄京王線の府中駅は高架駅... 続きをみる

  • 気まぐれに一冊① 『失踪日記』

    今さら、と思われるかもしれないが、吾妻ひでおの『失踪日記』は傑作だ。  内容は-①マンガが描けなくなって失踪してホームレス生活(1回目)→②連れ戻されるが再び失踪してホームレス生活(2回目)。2回目の失踪でガス配管工事関係の肉体労働に従事→③ガス配管工の仕事をやめて漫画家の生活に戻る(漫画家として... 続きをみる

  • 「うちの奥さん」考

    自分の怠け者体質というか、逃避体質というか、キリギリス体質というか、楽な方へ楽な方へと走ってしまう性向は若い時からのもので、歳をとっても少しも改善されることなく今に至っている。昨年秋に出た村上春樹氏の『走ることについて語るときに僕の語ること』を読んで、自分の軟弱さを恥じたのだけど、だからといって今... 続きをみる

  • 70年代の輝き-ディック・リチャーズ

    好きな野球映画のことを考えていたら、『さらば愛しき女よ(FAREWELL MY LOVELY)』(監督:ディック・リチャーズ、1975)を思い出した。原作はレイモンド・チャンドラーの同名小説で、舞台は1941年のロサンゼルス。まったく野球映画などではないのだが、ロバート・ミッチャム扮するフィリップ... 続きをみる

  • Don’t Worry Baby

    ブライアン・ウィルソンのソロとしての初来日公演を、有楽町の東京国際ホールで見た(聴いた)のは1999年7月。舞台でのブライアンは完全復帰にはほど遠い状態だったけど、まさかtoshibonが生きているうちに「生ブライアン」にお目にかかれると思ってもみなかったので、それだけで満足だった。 ただ、60年... 続きをみる

  • 黒石よされ

    津軽の黒石で16日夜に「黒石よされ」を見た。 盆踊りの多くは1か所で輪になって踊るのが普通だが、「黒石よされ」はメイン会場の御幸公園を出発した踊り組(いわゆる「連」のようなもの)が、町の通りを流しながら踊るのが特徴だ。   お囃子の屋台も踊りの列と一緒に運行し、「黒石よされ」をはじめとする津軽民謡... 続きをみる

  • 津軽湯ノ沢温泉のいま

    先日、あるカタログ誌の温泉取材で青荷温泉へ行く途中、秋田・青森県境の津軽湯ノ沢温泉に久しぶりに立ち寄ってみたら、昨年冬に休業した「なりや温泉」が再開されないまま、廃墟のようになっていた。 3軒の湯宿があった湯ノ沢温泉のうち、一番手前の「でわの湯(湯の沢山荘)」も4年前に廃業しているので、残るは「秋... 続きをみる

  • 盛岡でぶらぶら

    毎年、1回~2回は盛岡へ行き、街をぶらついたり、喫茶店や蕎麦屋でボーッとしたりしている。が、今回は、これまで行こう行こうと思いながら機会を逸していた「みかんや」という店で一杯飲ろうと思い立ちやって来た。 「みかんや」のオーナーであるHさんとは数年前に岩手県の温泉ガイドブックを一緒に書いたライター仲... 続きをみる

  • On Some Faraway Beach

    今年の桜は開花を宣言してから、なんと2日後に満開となった。これは当地気象台の観測史上最短という(1953年の観測開始以来)。 前日まで蕾だった自宅近くの桜の古木が、朝起きてみたら花盛りとなっていた。寒さにじっと耐えていた花の生命が一気に春の歓喜を爆発させたかの如く。夢を見ているようなこんな経験は初... 続きをみる

  • 岩木山麓 雪景の湯宿と乳穂ヶ滝

     ある雑誌に岩木山麓にある湯段温泉に関する記事を書くことになり、津軽の弘前に来ている。ホテルの窓の外は雪が降っている。今冬の津軽は豪雪で大変だったらしい。昨日、湯段温泉に行ったら、3月中旬だというのに積雪がまだ2メートル近くあって、一気に真冬に逆戻りしてしまった。 初めて湯段温泉を訪れたのは、もう... 続きをみる

  • 君はそう決めた

    昨年7月、テレビの視聴をやめた。つまりわが家は地デジ化しなかった。以来、もう8か月もテレビとは無縁の生活を送っている。当然、NHKとの受信契約も解約した。私のような人は結構多かったようで、アナログ停波による地上デジタル放送の完全移行に伴う受信解約件数は、今年の1月末時点で15万4000件に達したと... 続きをみる