きまぐれに1曲⑫ 夜と雨のワルツ
雨の曲シリーズ2曲目は、雨がさっとあがった後にキラキラまぶしい太陽に包まれる「雨に消えた初恋」とは打って変わって、暗く沈んだ夜の雨を歌った曲を。
「夜と雨のワルツ」は、畠山美由紀の6枚目のオリジナルアルバム(2013年6月発売)『rain falls』の収録曲。詞・曲とも畠山美由紀(作曲は中島ノブユキとの共作)で、雨にちなんだ曲を集めているアルバムの中から、この曲だけYouTubeにオフィシャルとしてあげられている。
畠山美由紀はいまいち地味な印象があるが、宮城県気仙沼出身ということも含めて、アルバムが出たら聴きたくなってしまう気にかかる歌手のひとりだ。2001年のデビューから通算14枚ものアルバムを出していて、日本の女性歌手のなかでは幅広い音楽性と歌唱力を備えた稀有な存在といえるかもしれない。
昨年暮にリリースされた7枚目となる『Wayfarer(ウェイファーラー)』もポップな味わいのある力作で、収録曲のひとつ「呼吸するより速く」は彼女でしか書けない(歌えない)恋の歌で、その官能性と昏いパッションにあっけにとられてしまった。
- Wayfarer
- Rambling RECORDS
- 2018-12-14
- ミュージック