Toshibon's Blog Returns

髪結いの亭主 物書きの妻

温泉備忘録のブログ記事

温泉備忘録(ムラゴンブログ全体)
  • 津軽湯ノ沢温泉のいま

    先日、あるカタログ誌の温泉取材で青荷温泉へ行く途中、秋田・青森県境の津軽湯ノ沢温泉に久しぶりに立ち寄ってみたら、昨年冬に休業した「なりや温泉」が再開されないまま、廃墟のようになっていた。 3軒の湯宿があった湯ノ沢温泉のうち、一番手前の「でわの湯(湯の沢山荘)」も4年前に廃業しているので、残るは「秋... 続きをみる

  • 岩木山麓 雪景の湯宿と乳穂ヶ滝

     ある雑誌に岩木山麓にある湯段温泉に関する記事を書くことになり、津軽の弘前に来ている。ホテルの窓の外は雪が降っている。今冬の津軽は豪雪で大変だったらしい。昨日、湯段温泉に行ったら、3月中旬だというのに積雪がまだ2メートル近くあって、一気に真冬に逆戻りしてしまった。 初めて湯段温泉を訪れたのは、もう... 続きをみる

  • 銭川温泉のおばあちゃんが亡くなった

    鹿角市八幡平の湯治宿「銭川温泉」のおばあちゃん阿部ツマさんが亡くなったことを、偶然アクセスした八幡平在住の方のブログで知った。亡くなったのは10月というから、すでに2ヵ月が経っているが、ひとことお悔やみを述べたくなり、やり残していた鹿角市の街道調査の取材のついでに、銭川温泉まで足を伸ばした。 私が... 続きをみる

  • 土砂にのまれた温泉宿

    栗駒山麓の宮城県側はブナの原生林や湿原、そして栗駒五湯と呼ばれる温泉が点在し、自然環境に恵まれた東北屈指の温泉地帯となっている。14日朝におこった岩手・宮城内陸地震で土石流に見舞われ宿舎が倒壊、行方不明者7人(14日の時点)の捜索が続けられている駒の湯温泉は、その栗駒五湯のひとつで、栗駒山南西麓に... 続きをみる

  • IHヒーターのある自炊宿

    一昨年の秋、宿泊客の火の不始末で宿泊棟が全焼した「露天風呂水沢温泉」から新装オープンの案内状が届いたので、所用で田沢湖方面へ行ったついでに立ち寄ってみた。ここは「山と温泉」ツアーでも利用したことがある温泉で、日帰り客を主体としたロッジ風の造りの自炊宿というユニークな経営方針をとっていた。それで「再... 続きをみる

  • 「山と温泉」ツアー

    毎年、夏の終わりに私と妻の友人たち数人で「山と温泉」ツアーを行っている。湯治場の自炊部に泊まって昼は登山やハイキング、夜は自分たちが持ち込み&調理した酒と料理で宴会というのがお定まりのパターン。これまで須川温泉(栗駒山)、酸ヶ湯温泉(八甲田)、黒湯温泉(乳頭山)、水沢温泉(秋田駒ヶ岳)、後生掛温泉... 続きをみる

  • 肘折温泉 丸屋旅館

    山形県最上の肘折温泉では、毎年10月20日に「なめこ祭り」が開催されている。昨年、たまたま10月19日に「丸屋旅館」に宿泊して翌日宿を出るとき、女将さんから「なめこ汁」無料券を渡されて初めてこんな祭り(イベント)があるのを知った。 会場は「肘折いでゆ館」。なめこ汁を提供する屋外テントは、近隣からや... 続きをみる

  • 海の湯治場 金ヶ崎温泉

    秋田県で古くから湯治場として賑わったところは、主に奥羽山脈の火山地帯にある山の温泉で、海岸地帯はきわめて数が少ない。だから、男鹿半島西海岸に湧く金ヶ崎温泉は貴重な存在だった。だったと過去形にしたのは、50年ほど前までは源泉のある海浜に露天の浴槽と宿舎が設けられ、湯治客が利用していたのだが、現在はそ... 続きをみる

  • 下風呂温泉 佐々木旅館

    ひさしぶりに下北半島の下風呂温泉へ行ってきた。泊まったのは共同浴場の新湯のそばにある佐々木旅館。女将さんと若女将さん(女将さんの娘さん)の2人できりもりしている小ぢんまりした宿だ。 下風呂温泉には十数軒の宿があるが、このうち温泉を引いているのは10軒ほど。源泉は大湯、新湯、海辺地(浜湯)の3ヵ所あ... 続きをみる

  • 男鹿半島の温泉

    男鹿半島には数か所の温泉地があるのだが、男鹿簡易保険保養センターの湯(鵜の崎温泉)が思いがけないことに、昨年春に経営不振から突然閉鎖されてしまった。岩手県の国見温泉とまではいかないまでも、この地域では珍しい薄緑色の硫黄泉で、とてもいい湯だっただけに再開してほしいが、なかなか買い手がつかないようだ。... 続きをみる

  • 早戸温泉つるの湯

    一カ月ほど前、なにげにTVをつけたら、ちょうどNHKで「ふだん着の温泉」をやっていた。この番組は放送日時がわかりにくい(チェックしていない)ので、ほとんど見ることがないのだが、取り上げていたのが福島県三島町の早戸温泉だったので、引き込まれるように見てしまった。 早戸温泉は只見川沿いの宮下ダムの人造... 続きをみる

  • 台湾の温泉①

    先月、山形県内陸部の湯めぐりに出かけ、遅ればせながら蔵王温泉の大露天風呂に初めて入った。渓流に沿って階段状に連なる湯舟を見たとき、どっかで見たことのある造りだなあ、と思ったのだが、しばらしくしてそれは2年前に旅行で訪れた台湾の北投(ペイトウ)温泉の露天風呂だと気が付いた。 台北の中心部から都市交通... 続きをみる

  • 台湾の温泉⑵

    (前回から続く) 台湾では北投温泉のほか、東海岸の蘇澳(スーアオ)という温泉町にも行ってみた。蘇澳は台湾のナポリとも呼ばれている港湾都市で、台北から特急列車で2時間ちょっと。駅から歩いて数分のところにある公園に湧く温泉は、温泉といっても台湾で唯一の冷泉で、それも非常に珍しい21度の炭酸冷泉。公園は... 続きをみる

  • 湯段温泉 長兵衛旅館

    津軽の湯段温泉(岩木町)といっても、知らない人が多いかもしれない。津軽で歴史の古い温泉場といえば、浅虫温泉(青森市)、温湯温泉(黒石市)、嶽温泉(岩木町)、大鰐温泉(大鰐町)などがあげられるが、湯段温泉もこれらの有名温泉にひけをとらない由緒ある古湯だ。江戸時代の享保年間(1716-1735)に柴田... 続きをみる

  • 温泉と民謡

    東北地方、中でも北東北(青森県、岩手県、秋田県)は民謡の宝庫なので、湯治場のお風呂場でじいさん、ばあさんが手拍子をとりながら地元の民謡を歌っていたりすることがある。温泉と民謡という私の2大好物を同時に体験できるのだから、こんなに楽しいことはない。 北東北3県は他県の人が考える以上に歴史風土も県民性... 続きをみる

  • 川渡温泉藤島旅館

    (前回の「川渡温泉の馬市」からの続き) 馬市を見学したあと、私が自炊部に泊まった藤島旅館は、川渡温泉で一番古く収容力のある老舗旅館。戦前から馬市にやってくる県の畜産関係のお役人や馬主などの宿泊を一手に引き受けていたという。 昭和5年に大火があり、現在の木造二階建て瓦屋根の建物はその3年後の昭和8年... 続きをみる

  • 川渡温泉の馬市

    つい最近、1941年(昭和16年)公開の『馬』(山本嘉次郎監督)という映画を見た。高峰秀子扮する農家の娘が手塩にかけて育てた仔馬との離別をテーマにした写実的な大作。山本監督がラジオで聞いた盛岡の馬市の実況放送にヒントを得て、東北各地を1年がかりで取材し脚本を書き上げたというだけあって、東北(ロケ地... 続きをみる

  • 庄内の鉱泉宿

    庄内の鉱泉宿① 辰ヶ湯温泉 山形県庄内地方の代表的な温泉といえば、すぐに思い浮かべるのは、湯野浜、温海、湯田川といった古い歴史を持つ温泉町だろう。しかし、この三温泉以外は(いわゆる新興の「公共の温泉」は別にして)泉温の低い鉱泉を湧かした規模の小さい一軒宿が多く、県の内陸部と比べると温泉の質、量とも... 続きをみる

  • 温泉宿の朝ご飯

    岩手県湯田町の湯本温泉は、全国に数ある湯本(湯元)温泉の中では、知名度は低いほうかもしれない。旅館数は7軒。ちょっとした歓楽的な雰囲気もある温泉町だが、湯の町情緒を醸すほどではなく、かといって湯治場でもないため、温泉場としてはどこか中途半端なのは否めない。 先週、この町に住む友人と一杯やるため、一... 続きをみる

  • 金勢(金精)様の話

    金勢(金精)様の話の続き。 金勢信仰は古代の陽物崇拝の名残りといえる。村の境を守り悪霊の侵入を防ぐ塞の神、道祖神のひとつであり、災いを取り除く呪力を持ち、豊穣と生命力をもたらす神でもある。湯治場で金勢様を祀るようになったのは、特に安産と子宝の神とされ、婦人病に効力があるとして信仰されたためであった... 続きをみる

  • 大沢温泉の金勢まつり

    4月29日は、岩手県の奥花巻(花巻南温泉峡)にある大沢温泉で、名物の「金勢まつり」が行われる日だ。 大沢温泉の金勢神社は同じ岩手県玉山村にある巻堀神社の金勢大明神を分神したもので、ご神体は重さ150キロ、長さ1.4メートルもあるケヤキの一本造りの陽物。大きな袋(木塊)が付随しているのがまたリアル。... 続きをみる

  • 「斎藤の湯」と滝桜

    福島県三春町の「斎藤の湯」は、阿武隈の山間に湧く。 「上ノ湯」と「下ノ湯」の2軒の宿があり、どちらも湯治場の風情が色濃く残る。 私は「上ノ湯」に泊まったが、どちらかというと「下ノ湯」のほうが湯治客に人気が高いようだ。朝早くから浴室は大勢の浴客で一杯で、館内も湯治場特有のほんわかした雰囲気がある。 ... 続きをみる

  • 湯治は東鳴子、川渡へ

    湯治にいくなら東鳴子、川渡へ。特にまるみや旅館、高東旅館をおすすめします。ただし、同じ湯治宿でも、この二つは館内の造り、お湯の効能、ご主人の人柄(?)などのタイプが異なるので、ご主人と電話などで相談したほうがいいかもしれません。 「元湯自炊まるみや旅館」(東鳴子温泉) http://www.nar... 続きをみる

  • 東鳴子温泉でミニ湯治

    20年くらい前、漠然と「物書き稼業」で暮らして行けたらいいな、などと思っていた。それがなんと、気が付いたら文章を書くことで飯を食べるようになって15年近く経ってしまった。願いが叶ったはずなのだが、この稼業、思っていたよりラクではなかった。なぜなら未だに文章を書くという行為に馴れない。いつまでたって... 続きをみる