Toshibon's Blog Returns

髪結いの亭主 物書きの妻

肘折温泉 丸屋旅館

山形県最上の肘折温泉では、毎年10月20日に「なめこ祭り」が開催されている。昨年、たまたま10月19日に「丸屋旅館」に宿泊して翌日宿を出るとき、女将さんから「なめこ汁」無料券を渡されて初めてこんな祭り(イベント)があるのを知った。
会場は「肘折いでゆ館」。なめこ汁を提供する屋外テントは、近隣からやってきた人たちで大盛況。館内では、なめここすくい競技が行われ、こちらも大勢の人たちでにぎわっていた。


昨年で40回目になる伝統を持つというから、肘折温泉のイベントとしてすっかり定着しているのだろう。今年も20日に行われるので、肘折行きを予定している方がいたら、なめこ祭りに合わせて宿泊してみてはどうだろう。丸屋旅館だけではなく、どの宿でも宿泊客には「なめこ汁」無料券、「利き酒」参加券などを配布しているようだ。数種類の銘柄の利き酒してぴったり当てると賞品がもらえるので、酒好きの人は挑戦してみるのも面白い。(私は残念ながらひとつだけ間違って賞品をもらえなかった)


丸屋旅館は昔ながらの湯治旅館だが、若旦那と若女将の趣向が随所に取り入れられ、古さと新しさが適度に調和していて、若い女性でも抵抗なく泊まれる。最近は首都圏や関西方面に熱心なファンが増えてきたというのも、頷ける。


10年ほど前に肘折温泉の紹介記事で目にした丸屋旅館の若旦那のことば。
「カルデラの中にある、どんづまりの温泉が肘折温泉だ。街全体がひとつの旅館で、それぞれの旅館が部屋、道路は廊下、お店は売店だ、と思っている。素朴さと田舎っぽさと生活感のある温泉場が肘折の魅力なんだから、その良さだけは変えちゃいけないと思っています」
肘折には伝統だけに安住せず温泉地全体の活性化に心をくだくこうした若い経営者がいる。それが心強い。