Toshibon's Blog Returns

髪結いの亭主 物書きの妻

きまぐれに1曲のブログ記事

きまぐれに1曲(ムラゴンブログ全体)
  • きまぐれに1曲⑳ 横須賀公園にて(1982)

    今から44年前の1978年の夏、長崎のジャズ喫茶『K』の裏、薄暗い私の部屋にそのポスターを貼り、日がな―日眺めていた。それは電通の広告作文コンクール募集のポスターで、細長い日本列島を分割し再構成したほぼ円形の日本地図?がコラージュされていた。ある種の異様さを見る者に与えるこの地図は、また同時に新鮮... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑲ Evening Star (Fripp&Eno)

    夏になると隠岐の島や五島列島の福江島、沖縄南西諸島の島々などに渡った、20代のころの船旅を思い出す。静かな凪の海面に反射する陽光のきらめきを透かして次第に姿をみせる島影。その時口をついてでたのは「島へ渡る時はただの旅人(Passenger)、島から帰る時はまれびと(Visitor)」というフレーズ... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑱ 遠い音楽

    古いカセットテープを整理していたら、なかにZABADAK(ザバダック)の『遠い音楽』(1990年)があった。1985年にデビューしたというZABADAK は、吉良知彦・上野洋子(それに数人のサポートメンバー)によるユニットで、『遠い音楽』は5thアルバムだったが、私が聴いたのはこのアルバムが初めて... 続きをみる

  • BAND-MAIDとLOVEBITESに刺さるw

    この2月は、バンドメイド(BAND-MAID)とラブバイツ(LOVEBITES)月間というほど、ハードロックメタル系のこの2つのバンドを毎日聴いている。時々覗いているYouTubeチャンネルみのミュージックで紹介されていて、初めて知ったのが今月上旬。この手の音楽は普段ほとんど聴くことがないtosh... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑰ らっかさんブルース(1975)

    「らっかさん」とは、1970年代の中ごろ、横須賀にあったロック喫茶(いわゆるカフェ&バーのような店)の名前である。そのころ鎌倉に住んでいた私は、時々横須賀線に乗って横須賀に行った。特に目的があるというわけではなく、横須賀中央公園で東京湾を眺めながらボーっとしたあと、日が暮れると京急横須賀中央駅から... 続きをみる

  • テイラー・スィフトの「folklore(フォークロア)」

    今さらかと思われるかもしれないが、テイラー・スィフト(Taylor Swift)の「folklore(フォークロア)」は傑作だ。今年後半、車のなかで一番聴いたのはこのアルバムかもしれない。 何といってもアルバムタイトルがいい。1980年代の初めに「New Folklore Express」という名... 続きをみる

  • 岬めぐり

    20代の初めころ、神奈川県の鎌倉市に1年ほど住んだことがあった。そこでアルバイトをしていた喫茶店では、親睦と慰労をかねた日帰り遠足(レクリエーション)を時々行っていて、その行き先のひとつが鎌倉と同じ三浦半島にある観音崎だった。その時に東京湾を航行する船の多様さも含めた数の多さと、暖地生の植物が繁茂... 続きをみる

  • ジョシュ・ターナーの「風をあつめて」

    ーAbout Josh Turner Guitar(ジョシュ・ターナー・ギターについて)ー 「ジョシュア・リー・ターナー(Joshua Lee Turner)は、ニューヨーク州ブルックリンに拠点を置くマルチインストゥルメンタリスト、シンガー、ソングライター、プロデューサーです。ジョシュはYouTu... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑯ プラスティックラブ

    もうすぐ夏至。2年前のこのブログにこんなことを書いた。 「 夏至に至る一週間くらい前の期間が一番日が長く感じられる。曇り空や雨の日も嫌いじゃないので、私は今ごろが一年でもっとも好きな季節ではあるのだが、なぜが毎年夏至の前後は精神的に落ち込むことが多い。過去の出来事ばかりが思い出され(それも恥ずかし... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑮ 夕陽は赤く

    苦手な歌というのがある。あくまで私個人の感覚的な問題と断ったうえでの話だが、耳障りというか、聴いているとなんか気持ち悪いなぁ、と思ってしまう歌。あまり大きな声では言えないけれど、例えば東日本大震災の復興ソング「花は咲く」とか…。どこかから借りてきたような居心地の悪いメロディーと背中がムズムズしてく... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑭ 駒沢あたりで

    晩秋の季節に聴くと心に染み入る曲を。 「駒沢あたりで」https://www.youtube.com/watch?v=91ne59Fz_Yo 加川良(1947 – 2017)の通算6枚目のアルバム『駒沢あたりで』(オリジナルは1978年発売)の収録曲で、バックをつとめるのはレイジー・ヒップ。アルバ... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑬ ハーヴェスト・ムーン

    退院してからしばらく静養していたが、体力回復のために数日前から日が落ちて涼しくなってからウォーキングを始めた。その際、ICレコーダーで音楽を聞きながら歩くのだが、歩行のリズムとマッチした曲が鳴ると、自然と歩くのがとても楽しくなる。レコーダーに入れていた曲のなかで、歩行と曲のリズムが一番ぴったり合っ... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑫ 夜と雨のワルツ

    雨の曲シリーズ2曲目は、雨がさっとあがった後にキラキラまぶしい太陽に包まれる「雨に消えた初恋」とは打って変わって、暗く沈んだ夜の雨を歌った曲を。 畠山美由紀 / 夜と雨のワルツ 「夜と雨のワルツ」は、畠山美由紀の6枚目のオリジナルアルバム(2013年6月発売)『rain falls』の収録曲。詞・... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑪ 雨に消えた初恋

    梅雨の季節ということで、気まぐれに雨の曲でもと思ったとき、真っ先に浮かんだのがカウシルズ(The Cowsills)の「雨に消えた初恋(The Rain, The Park and Other Things)(1967)」。 カウシルズは、1965年に結成されたカウシル家の母親と兄弟からなるファミ... 続きをみる

  • 気まぐれに1曲  タルコフスキー・カルテット

    友人から「タルコフスキー・カルテット(Tarkovsky Quartet)を知っている?」とメールが届いた。YouTubeのリンクが貼られていたので見て(聴いて)みる。 Tarkovsky Quartet – Nuit blanche ピアノ、チェロ、アコーディオン、ソプラノサックスという変則的な... 続きをみる

  • 十二月の旅人よ

    2018年もあと1日。5年前の2013年12月30日は大瀧詠一が亡くなった日だ。なぜ覚えているのかといえば、その日は朝から録音していた山下達郎との「新春放談」やNHKFMで放送した「日本ポップス伝」をずっと聞いていたからだ。夜になってネットニュースで知り、衝撃を受けたのが、ついこの間のように思える... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑧ 九月の雨

    「夏が終われば 秋が来る  ほんとに早いわ~♪」(森高千里「あるOLの青春」1990)。 季節はすっかり秋の気配。あんなに暑かった夏が随分前のように思え、懐かしいモリタカの歌を口ずさんでいる今日このごろ。 子どものころは夏が来ると、それが永遠に続くような気がしたものだ。ノー天気でどこかネジがゆるん... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑦ 夏草の誘い

    今日で8月も終わり。 毎年、晩夏に聴きたくなるのが、ジョニ・ミッチェルの『夏草の誘い The Hissing Of Summer Lawns』(1975年)というアルバム。 見開きのジャケットを開くと、夏の陽光を浴びてプールの水面に浮かぶジョニ・ミッチェルの大柄な身体が表題曲の「The Hissi... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑥ Their Hearts Were Full Of Spring

    The Beach Boys - Their Hearts Were Full Of Spring (1966) - YouTube60年代の中ごろ、NHKTVで「アンディウィリアムス・ショー」というアメリカの音楽番組が確か日曜日のお昼すぎに放映されていた。そのころ小学校の高学年だった私は、この番... 続きをみる

  • きまぐれに1曲⑤ 「6月の雨の色」

    1年の半分を過ぎてしまった今月のきまぐれに1曲は、今から40年以上前に小さなラジカセに録音された「6月の雨の色」という曲を。 海辺の村で育った子どものころの梅雨の季節の心象風景を歌っているこの曲は、1971年12月号の『ガロ』誌上に発表された鈴木翁二のマンガ「雨の色」にインスパイアされて生まれた。... 続きをみる

  • さよなら ぼくのともだち

    昨日の新聞に森田童子が亡くなったという記事が載っていた。びっくりした。 びっくりしたのは森田童子が亡くなったからではない。森田童子が亡くなったことが新聞記事になっていることにびっくりしたのだ。80年代初めに活動休止してから、その存在が忘れ去られていたと思っていたからだ(実際にはTVドラマ「高校教師... 続きをみる

  • きまぐれに1曲④ 美しい5月に

    1年でもっとも美しい季節かもしれない5月。ということで、きまぐれに1曲はシューマンの「美しい5月に」を。 なんでも一時的に熱中する癖のあるtoshibonだが、20代初めのころシューマンにどっぷりハマった。曲を聴くだけでなく、伝記を読み、評論を漁った。今でもクラシックの作曲家ではロマン派、なかでも... 続きをみる

  • きまぐれに1曲③ 4月になれば彼女は

    いつの間にか春植物(Spring ephemeral)は咲き終わり、自宅の庭の椿の花がボタボタ落ち、今はソメイヨシノが散り初め。なんだか身体感覚が季節のスピード、植物の生長についていけず、春の輝きに置いてけぼりをくっているような不安定な心持ち。まあ、春になるとなんとなくダウナーな気分になるのは、例... 続きをみる

  • きまぐれに1曲② Such a Lonely Soul

    ここ1か月ほどよく聞いているのが、アンナ・ターンハイム(Anna Ternheim)というスウェーデン、ストックホルム出身の女性シンガーソングライターが歌う「Such a Lonely Soul」。 アンナ・ターンハイムは2004年にデビューしてから現在まで6枚ほどアルバムを発表しているが、国内盤... 続きをみる

  • きまぐれに1曲① 雨あがりのビル街

    2017年もあと数時間。どんな年だったのか、記憶の遠近がはっきりせず、忘れようにも思い出せない(バガボンのパパ風に)。 10月に70歳で〝不滅の男-エンケン〞遠藤賢司が亡くなったのを知って、本当に何十年かぶりに2ndアルバムの「満足できるかな」(1971)を通しで聞いた。当時もろに影響を受けてコー... 続きをみる

  • Don’t Worry Baby

    ブライアン・ウィルソンのソロとしての初来日公演を、有楽町の東京国際ホールで見た(聴いた)のは1999年7月。舞台でのブライアンは完全復帰にはほど遠い状態だったけど、まさかtoshibonが生きているうちに「生ブライアン」にお目にかかれると思ってもみなかったので、それだけで満足だった。 ただ、60年... 続きをみる

  • On Some Faraway Beach

    今年の桜は開花を宣言してから、なんと2日後に満開となった。これは当地気象台の観測史上最短という(1953年の観測開始以来)。 前日まで蕾だった自宅近くの桜の古木が、朝起きてみたら花盛りとなっていた。寒さにじっと耐えていた花の生命が一気に春の歓喜を爆発させたかの如く。夢を見ているようなこんな経験は初... 続きをみる

  • 君はそう決めた

    昨年7月、テレビの視聴をやめた。つまりわが家は地デジ化しなかった。以来、もう8か月もテレビとは無縁の生活を送っている。当然、NHKとの受信契約も解約した。私のような人は結構多かったようで、アナログ停波による地上デジタル放送の完全移行に伴う受信解約件数は、今年の1月末時点で15万4000件に達したと... 続きをみる

  • Sunday Girl

    この正月、風邪をひいて滞在していた宿のベッドで横になりながら、TVの「箱根駅伝」をなにげに見ていたら、トヨタの新車アクアのCMで突然聞き覚えのあるメロディーと歌声が耳に飛び込んできた。このメロディー、なんていう歌だっけ? 曲名はなかなか出てこなかったけど、歌っているのはブロンディ(=デボラ・ハリー... 続きをみる

  • キラルのオラヴァ

    平日の午前中放送の「クラシック倶楽部」(NHKBS2)を作業BGM代わりに時々聴いて(見て)いる。昨日はポーランドの「アマデウス室内オーケストラ」の出演だったのだが、2番目に演奏した初めて聴く曲の弦楽器の音色にぐーっと引き込まれ、画面に釘付けになってしまった。 曲のタイトルは「ORAWA(オラヴァ... 続きをみる

  • 東京日記 「紫陽花日記⑦」 紫陽花の唄

    2高幡不動尊金剛寺でアジサイを見たあと、再び多摩都市モノレール線で立川に出て中央線に乗り換え、阿佐ヶ谷で途中下車。北口のスターロード商店街のはずれにある「善知鳥(うとう)」という酒房に行ったら、違う名前の店になっていた。昨年の同じ時期に訪ねた時はまだ存続していたのに、いつの間に店をたたんだのだろう... 続きをみる

  • こんな風に生きていくのなら

    一週間ほど前に浅川マキさんが亡くなったのを新聞記事で知った。名古屋3days公演の最終日、リハーサル前にホテルの浴室で倒れているのが発見されたという。旅公演のさなかの客死は、浅川マキらしいといえば、いえるのかもしれない。 今から25年前の1984年11月、私の店(「Mouchette」)に、公演が... 続きをみる

  • I Get Around

    去り行く夏を惜しみつつ、久しぶりに棚の奥で眠っていた「王様」の1996年発売のアルバム『浜っ子伝説』を聴いているところ。「王様」といっても、ロックに興味がないとご存じない方が多いかもしれない。おもに60年代~70年代のロックの名曲の数々を日本語直訳による歌詞でカバーした作品を発表しているミュージシ... 続きをみる

  • Saltans of Swing(悲しきサルタン)

    今月初めにNHKBSで放映していた「みんなロックで大人になった」の再放送を見ている。イギリスBBCが独自のアーカイブを大量に使い、1960年代から現代に至るまで、“ロック”が時代の流れの中でどう変化し、社会に影響を与えていったかを「アート・ロック」「パンク・ロック」「ヘビィ・メタル」などジャンルご... 続きをみる

  • 主よ、わが祈りを聞きたまえ

    アトリオン音楽ホールで行われた「森麻季&ドレスデン聖十字架合唱団~クリスマスコンサート~」に行ってきた。ドレスデン聖十字架合唱団は800年におよぶ歴史をもち、聖十字架教会の寄宿舎に9歳から19歳(ボーソプラノ・ボーイアルト、テノール・バス)までの少年150人が在籍するという名門少年聖歌隊で、今回は... 続きをみる

  • Love And Mercy

    前のエントリーの続き。BS-hiで放映されたトリビュート・コンサートはNew York, Radio City で2001年に行われたものだが、その後もブライアンへの賛辞・賞賛は続いていて、'05年にもジェフ・ベックなどが参加した新旧のロック・ミュージシャンによる「トリビュート・トゥ・ブライアン・... 続きをみる

  • エレクトロワールド

    このところ、perfumeにすっかりハマっている。perfume(パフューム)とは、先月発売された2ndアルバム「GAME」のDVD付き限定版があっという間に売り切れ、通常盤も飛ぶように売れて、今、大ブレイク中の女性3人組のテクノポップユニット。運転しながら、散歩しながら、料理しながら、パソコンし... 続きをみる