Toshibon's Blog Returns

髪結いの亭主 物書きの妻

きまぐれに1曲⑳ 横須賀公園にて(1982)

今から44年前の1978年の夏、長崎のジャズ喫茶『K』の裏、薄暗い私の部屋にそのポスターを貼り、日がな―日眺めていた。それは電通の広告作文コンクール募集のポスターで、細長い日本列島を分割し再構成したほぼ円形の日本地図?がコラージュされていた。ある種の異様さを見る者に与えるこの地図は、また同時に新鮮なイメージを喚起させた。「古代緑地」そして「妣が国」は、きっとこのような形をした《島》に違いなかろうと―。



長崎棲みの3年後の1981年夏には沖縄~八重山の島々を旅した。その旅の経験も含めて、当時頭の中で膨らんでいた「旅と島、辺境と都市…」をテーマに『Far Eastern Lullaby(極東地方の子守歌)』というタイトルのカセットアルバム(私家版)をつくった。この「横須賀公園にて」はその中の収録曲。曲、演奏とも稚拙で、何より独りよがりの詞がいたたまれないが(ここで歌われる「横須賀の丘」とは此岸で「島」は彼岸の意を込めた?)今となってはその「痛さ」加減も懐かしい。



横須賀公園にて(1982)