Toshibon's Blog Returns

髪結いの亭主 物書きの妻

きまぐれに1曲④ 美しい5月に

1年でもっとも美しい季節かもしれない5月。ということで、きまぐれに1曲はシューマンの「美しい5月に」を。


なんでも一時的に熱中する癖のあるtoshibonだが、20代初めのころシューマンにどっぷりハマった。曲を聴くだけでなく、伝記を読み、評論を漁った。今でもクラシックの作曲家ではロマン派、なかでもシューマンが一番好きだ。


「美しい5月に(Im wunderschoenen Monat Mai=うるわしくも美しい5月に)」はハイネの詩による連作歌曲『詩人の恋』の第1曲。たった1分30秒あまりの短い曲のなかに、シューマンのエッセンスがつまっている。この曲では歌にも増して、どっかに連れていかれそうなピアノの旋律に惹きつけられる。


そういえば、高校の音楽の時間、シューベルトの『冬の旅』を原語(ドイツ語)で歌わせた先生がいた。あまり身を入れて覚えなかったので、今ではすっかり歌詞を忘れてしまったのだけど。


世界中にアニメソングを歌いたくて日本語を覚えたくなった若者がいるように、当時はビートルズを歌いたくて英語を、ジリオラ・チンクエッティを歌いたくてイタリア語を覚えたくなったのだが、シューベルトやシューマンのドイツリートを歌いたくてドイツ語を覚えたくはならなかった。でも、今は音楽の先生が正しかったと思える。「美しい5月に」を原語で歌えたら素敵だろうな……


歌っているのはヘルマン・プライ
https://www.youtube.com/watch?v=vpGWQ-MOuBg


こちらはフルートとピアノによる演奏。演奏している場所も含めてまさに天空の音楽!
https://www.youtube.com/watch?v=FzoY52Hphj0