Toshibon's Blog Returns

髪結いの亭主 物書きの妻

Toshibon's Blog Returnsの新着ブログ記事

  • 美大図書館のシネマライブラリー

    押井守の『イノセンス』を見ようと映画館に行ったら、あらあら、2週間前に上映が打ち切られていた。やっぱり、鈴木敏夫プロデューサーが参画して糸井重里なんかにキャッチ・コピーを作らせても、スタジオ・ジブリ作品のようなわけにはいかないんだなぁ(特にこんな地方都市では)。最大の観客層である女性は、何となく嗅... 続きをみる

  • 温泉宿の朝ご飯

    岩手県湯田町の湯本温泉は、全国に数ある湯本(湯元)温泉の中では、知名度は低いほうかもしれない。旅館数は7軒。ちょっとした歓楽的な雰囲気もある温泉町だが、湯の町情緒を醸すほどではなく、かといって湯治場でもないため、温泉場としてはどこか中途半端なのは否めない。 先週、この町に住む友人と一杯やるため、一... 続きをみる

  • 金勢(金精)様の話

    金勢(金精)様の話の続き。 金勢信仰は古代の陽物崇拝の名残りといえる。村の境を守り悪霊の侵入を防ぐ塞の神、道祖神のひとつであり、災いを取り除く呪力を持ち、豊穣と生命力をもたらす神でもある。湯治場で金勢様を祀るようになったのは、特に安産と子宝の神とされ、婦人病に効力があるとして信仰されたためであった... 続きをみる

  • 大沢温泉の金勢まつり

    4月29日は、岩手県の奥花巻(花巻南温泉峡)にある大沢温泉で、名物の「金勢まつり」が行われる日だ。 大沢温泉の金勢神社は同じ岩手県玉山村にある巻堀神社の金勢大明神を分神したもので、ご神体は重さ150キロ、長さ1.4メートルもあるケヤキの一本造りの陽物。大きな袋(木塊)が付随しているのがまたリアル。... 続きをみる

  • 「斎藤の湯」と滝桜

    福島県三春町の「斎藤の湯」は、阿武隈の山間に湧く。 「上ノ湯」と「下ノ湯」の2軒の宿があり、どちらも湯治場の風情が色濃く残る。 私は「上ノ湯」に泊まったが、どちらかというと「下ノ湯」のほうが湯治客に人気が高いようだ。朝早くから浴室は大勢の浴客で一杯で、館内も湯治場特有のほんわかした雰囲気がある。 ... 続きをみる

  • 湯治は東鳴子、川渡へ

    湯治にいくなら東鳴子、川渡へ。特にまるみや旅館、高東旅館をおすすめします。ただし、同じ湯治宿でも、この二つは館内の造り、お湯の効能、ご主人の人柄(?)などのタイプが異なるので、ご主人と電話などで相談したほうがいいかもしれません。 「元湯自炊まるみや旅館」(東鳴子温泉) http://www.nar... 続きをみる

  • モロ・ノ・ブラジル

    私が十数年前にやっていた飲み屋Mでは、ブラジル音楽をよくかけていた。お客さんに日系三世のNさんや、ブラジル音楽フリークの人がいて、テープやレコードをよく持ってきてくれたからだ。ただ、店をやめてからは、ほとんど聴かなくなっていた。ところが、3カ月前にフィンランド人の映画監督、ミカ・カウリスマキの「モ... 続きをみる

  • 伊豆沼の渡り鳥

    先日の東鳴子温泉ミニ湯治の帰途、伊豆沼に立ち寄ってみた。 伊豆沼、それに隣り合う内沼は、冬鳥の飛来地として国際的に重要であるため、北海道の釧路湿原に次いで日本で2番目にラムサール条約の登録湿地に指定されたところ。宮城県のみならず、国内のバード・ウォッチャーの聖域(サンクチュアリ)のような場所なので... 続きをみる

  • 東鳴子温泉でミニ湯治

    20年くらい前、漠然と「物書き稼業」で暮らして行けたらいいな、などと思っていた。それがなんと、気が付いたら文章を書くことで飯を食べるようになって15年近く経ってしまった。願いが叶ったはずなのだが、この稼業、思っていたよりラクではなかった。なぜなら未だに文章を書くという行為に馴れない。いつまでたって... 続きをみる

  • 小津漬けの日々

    年が明けてもお茶漬けならぬ小津漬けの日々(笑)。 何より初めて見た「浮草」の素晴らしさにまずびっくり。 小津の大映での唯一の作品ということで、厚田雄春ではなくて宮川一夫の撮影、主な出演者は小津組常連ではない大映の役者。それらのコラボレーションが(松竹の)小津調とは異なった雰囲気を発散して、フィルム... 続きをみる

  • ハッピーマンデーと小正月行事

    1月15日といえば、成人の日である。いや、であった。平成10年秋に祝日法が改正され、成人の日は1月の第2月曜日に移った。土曜から月曜までの3連休をつくり、消費拡大による経済波及効果を図るためというのがその理由で、ほかに「海の日」「敬老の日」「体育の日」が月曜日に固定された。誰が名付けたかしらないが... 続きをみる

  • Tokyo Twilight

    ちょうど1カ月ほど前、東京の新名所、六本木ヒルズへ行った。クリスマス前ということで、街は華やぎ、ものすごい人出。行ったころがちょうど夕暮時。まさに「Tokyo Twilight」。でも、ここで見られるのは小津映画の「東京暮色(Tokyo Twilight)」とは別の惑星の黄昏。高層ビルの灯り、自動... 続きをみる

  • 『恋恋風塵』の台湾

     昨夜のBSで侯孝賢(ホウ・シャオシェン)の『恋恋風塵』(1987)とアキ・カウリスマキの『カラマリ・ユニオン』(1985)が続けて放映された。小津安二郎映画特集に関連したラインアップなのだろう。2人とも自他ともに認める小津映画ファンだから。 『恋恋風塵』は日本に初めて紹介されたホウ・シャオシェン... 続きをみる

  • 『東京画』を見る

    TVで『東京画』(1985)を見た。W・ヴェンダースが小津へのオマージュを捧げた作品なのだが、私はちっとも感心しなかった。 パチンコ屋、ゴルフの練習場、竹の子族、食品サンプル工場…ガイジン(欧米人)が奇妙に感じる日本。それらが全編にわたり冗漫に映し出される。あまりにステレオタイプ、あまりに底が浅く... 続きをみる

  • 湯治場はドライヤー・ワールド?

    先日、しばらく音信不通だったSさんという人の所在がわかり、『東北の湯治場湯めぐりの旅』の本を贈ったら、お礼としてカール・Th・ドライヤーのカタログが送られてきた。 今月から12月にかけて、有楽町朝日ホール(上映終了)、国立近代美術館フィルムセンター(10月28日から)、ユーロスペース(11月15日... 続きをみる

  • 小津安二郎と清水宏の温泉映画

    小津安二郎生誕100年ということで、世界各地(?)で盛り上がっているみたいですね。ニューヨーク・フィルム・フェスティバルでは、香山美子がゲストに呼ばれてスピーチしたらしい。「東京物語」の彼女は清々しかった。 戦後の作品はほとんど見たけど、戦前の作品は「生まれてはみたけれど」と「父ありき」(正確には... 続きをみる

  • 東京暮色のころ

    小津映画を集中的に見たのは、今から30年前の20歳前後のころだった。「晩春」「麦秋」「東京物語」「東京暮色」「早春」「彼岸花」「秋刀魚の味」…。この中でも一番衝撃を受けた「麦秋」については、別ブログに書いた。 小津映画についてこれまで幾百幾千のことが語られてきたので、私などの出る幕はないのだが、過... 続きをみる

  • 「The Hours」とアイルランド

    アイルランド8日目の朝。フィッツィモンズ・ホテルを6時半に出て、ダブリン空港へ。レンタカーを返し、出国手続きを済ませたあと空港内のカフェでサンドウィッチの朝食をとり、ロンドン行きのBLMでアイルランドを飛び立つ。 ヒースロー空港は2度目ということもあって、スムースにターミナル1からターミナル3へ移... 続きをみる