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髪結いの亭主 物書きの妻

盛岡 石めぐり①

「ますむらひろし展」で訪れた岩手県立美術館で、美術館の広報誌「aprire(アプリーレ)」を手にとったら、「石の街もりおか―石像編」と題した特集が組まれていた。私は数年来、ジオパーク(GeoPark)に関わる仕事をしてきたこともあって、石好き、地層好き、地形好き…。
特集を読むまでもなく、これまで盛岡は石(=花崗岩)が目につく街だと感じていた。「ジオGEO=大地」の視点で盛岡の街歩き、石めぐりをしてみることにしよう。


岩手県内は北上山地を中心にして花崗岩が広く分布しているが、盛岡市街地でも露出している花崗岩をところどころで見ることができる。なかでも盛岡城跡(岩手公園)では、公園内のあちこちに花崗岩が点在していて、その大きさ迫力に圧倒される。というのも、城域となっている丘陵地帯は花崗岩でできているからで、とても深くて厚い花崗岩体の上に築かれたのが盛岡城(不来方城)だったのだ。


城跡に露出している大岩のなかでも、特に有名なのが櫻山神社の本殿の背後にそびえ、神社の御神体ともなっている烏帽子岩(兜岩)。



この地の花崗岩は「盛岡石」と呼ばれ、古くから石材として建造物や石碑、石像などに使われてきた。石垣も花崗岩だ。


城づくりの基礎工事で露出した花崗岩の一部は石垣としてそのまま活用された。


中の橋から上の橋にかけて、中津川の川底に露出する石も花崗岩。通称ごま石。正確には花崗閃緑岩。大きなノジュール(コンクリーション)のように見える。


地形、地質、岩石など「ジオGEO=大地」の視点でみると、盛岡はNHKの番組「ブラタモリ」的なネタが豊富な街だとあらためて思う。「ブラタモリ」には盛岡はまだ登場していないはずだから、ぜひ取り上げてほしいものだ。(②に続く)




木洩れ日の花崗岩