Toshibon's Blog Returns

髪結いの亭主 物書きの妻

蕎麦屋でひとり

前にも書いたが、私の一番の飲み友だちは妻だ。
結婚前に妻と東京で初めてデートした場所は銀座のビアホール「銀座ライオン(7丁目店)」だった。そのころ日比谷で仕事をしていたビール好きな彼女が提案したように記憶している。2度目のデートは彼女が休みの日の昼下がり、神田の「かんだやぶそば(神田藪蕎麦)」で待ち合わせた。そして、この時から昼酒を飲みながらまったり過ごす蕎麦屋deデートが始まったのだった。蕎麦屋選定の基本は、午後の時間帯も通しで営業していて酒関連の品書きが充実しているところ。なので最もよく通ったのは、日本橋の「室町砂場」。彼女の仕事場から近い銀座の(移転前の)「よし田」もよく利用したなあ。


妻は仕事のない日は、今でも昼ひなか外で飲む酒に付き合ってくれ、おまけに貧乏な私を憐れんで?勘定まで払ってくれるのだが。。。。。。本当のところは蕎麦屋で私と一緒に飲むのは不満みたいだ。山屋さんの妻は、焼き鳥にビールといった肉食派で、私に合わせていると"小鳥さんの食事"になってしまいお腹がすくという。
歳をとるにつれ胃腸が丈夫でない私は、酒をガブガブ、つまみをガツガツというわけにはいかなくなってきた。酒は好きだがせいぜい正2合~2合半、あと軽めのつまみ2、3品、仕上げにさらっとした蕎麦、それで十分満足なのだ。


それで、いつの間にか蕎麦屋deデートから蕎麦屋deボッチに…(笑)
「かんだやぶそば」は全焼して再開してからは、足が遠のいている。すぐそばの「神田まつや」は好きだが、いつも混みすぎ! 蕎麦屋のひとり飲みで一番居心地がいいのが、虎ノ門の「大坂屋砂場」だろうか。

このコロナ禍の状況では居酒屋は敬遠せざるを得ないが、ここは安心だ。店に入ってすぐ目の前にアルコール消毒液。テーブル席の半分は使わないようにして、客を制限している。入口の戸や窓は開け、空調もしっかり回している。もともと客同士で大声で話すような人はおらず、特に私のようなおひとり様が時間を選んで入店する15時~17時あたりは、店内に客がいてもひっそりしているので、ウィルスの飛沫が飛ぶようなことはない。


1923年(大正12年)に建てられたという「虎ノ門大坂屋砂場」の店舗(国指定登録有形文化財)。目の前にそびえるのは、できたばかりの虎ノ門ヒルズビジネスタワー。

  


さっき店のホームページを見たら、通りの拡幅工事が行われるらしく、現店舗の営業は8月31日で終了。9月14日から仮店舗で営業するとのこと。驚いた!
詳しくは下記のHPをご覧ください。
https://www.toranomon-sunaba.com/news/