Toshibon's Blog Returns

髪結いの亭主 物書きの妻

東京日記 「紫陽花日記④」 東大のヨン様

 地下鉄丸ノ内線の御茶ノ水駅の階段を上ると、御茶ノ水橋と外堀通りのT字路交差点に出る。信号が赤に変わって東京医科歯科大学方向に歩きだしたとき、なんとなく周囲にオーラを放つ男性がこちらに向かってくる気配が…、と感じてすれ違った人を見ると、姜尚中(カンサンジュン)氏だった。


『負け犬の遠吠え』で一世を風靡?した酒井順子女史のエッセイに、上野千鶴子センセイの還暦祝いのパーティーに姜氏がバラの花束を持って登場したことが書かれていた。なんでも姜氏は一部の女性たちから「東大のヨン様(!)」と呼ばれているそうで、酒井女史はそのカッコよさに感嘆したという(数年前に図書館から借りて読んだので、うろ覚えだが)。で、toshibonは実際に本人を見て、それはあながち誇張ではないのかも、と思った次第。ところで、「東大のヨン様」とは、褒め言葉なのだろうか…。


紫陽花の咲く、妻の入院している順天堂大学病院の正面玄関。入るとすぐにスターバックスがある。入口付近にテーブルが配置されているので、初めて来た人はオープンカフェと見まごう。


術後は順調で体力も回復し、病室のベッドの上で所在なさげにしている妻に、病院に来る途中に姜尚中(以下、敬称略)を見たことを告げると、彼女は誰だか知らないと言う。さすがにヨン様は知っているが、ほとんど興味はないようだ。そんなところが妻らしくて私は好きだ。


以前、このブログにブラッド・ピットも知らないので驚いたという話を書いたが、ミーハーな私と違って俗なものに関心を示さない。世界を斜めに見ずにおれない私と違って、物事をまっすぐに見る。酒井順子のような皮肉っぽい物の見方はしないので、彼女のエッセーなど必要ない。もちろん、上野千鶴子の本も。でも、妻が上野千鶴子の本を愛読するような女性であったなら、自分より経済的にも体力的にも劣る私のようなダメ男と結婚することはきっとなかったろう…。


上野千鶴子はベストセラーになった『おひとりさまの老後』に味をしめたのか、続けて『男おひとりさま道』を出した。こちらは『おひとりさまの老後』より売れなかったらしいが、ハウツウ本としては、こちらのほうが出来がいいように思う。少なくとも、山口文憲や関川夏央の自己憐憫に満ちたシングル哀歌の「ひとりもの」本よりは、実用書としてためになることは確かだ。でも、上野千鶴子に老後の指南をされるなんて、思ってもみなかったよな…。(続く)


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