Toshibon's Blog Returns

髪結いの亭主 物書きの妻

WBC雑感

野球の世界一を決めるというふれこみで始まったWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)。毎年恒例の年度末の〆切でウルウル状態になりながらも、試合の行方が気になってしょうがなかったが、終わってみれば日本が優勝。まだその余韻に浸っている。


今回は特にイチローの言動が話題になった。普段はクールなイチローの変わりぶり、激しい闘志と愛国心の発露に驚いた、という感想を多くの人が抱いたようだ。だが、イチローはもともとあんな奴なのである。野球に対する敬意と情熱は誰にも増して熱く激しいし、発言にしたって、これまで日本のスポーツ選手があまりいわなかっただけで、他国のアスリートの発言として聞くと特別過激なわけでも愛国的なわけでもない。もちろん、イチローのことだから、WBCの注目度から自分が言ったことがメディアで大きくとりあげられるのは計算しての言動だったろう。ただ、いわゆる30年発言が韓国であれほど反発を買うとは計算外だったに違いない。韓国のマスコミ(特に新聞)は、こと日本がからむと影響力の大きい一般紙でさえ東スポ並の記事を平気で書く(と言ったら東スポに失礼か)。「30年発言」も韓国という特定の国に向けての発言ではなかったのだが、マスコミがこれを(意図的に)曲解してセンセーショナルに取り上げ、ナショナリズムを煽る格好の題材にした。
(サッカーの2002年ワールドカップの時、精神科医の香山リカは自国チームの活躍に熱狂する日本の若者たちに対し、プチ・ナショナリズムという全くとんちんかんな指摘をして悦にはいっていたが、韓国の病的なまでのナショナリズムには、彼女はどんな言説をもって対処するのだろうか)


今回の日本チームのメジャーリーガーはイチロー、大塚の2人だけで、松井(秀喜)、井口、城島などは参加しなかった。井口は2年目の大事な年だし、城島はマリナーズに入団したばかりで参加しなかったのは理解できる。だが、松井に関しては(結果論だが)選択を誤ったかなとも思える。これまで人気の面では松井が上だったが、WBC後はイチローファンが急増したようだ。


ただ、イチローは松井と違って誰からでも愛されるわかりやすいキャラではない。そのプレースタイルからゴキロー(ゴキブリヤロー)という蔑称も頂戴しているし、野球ファンの間ではアンチも多い。基本的にエフリコギ(エエカッコシイ)、ガンコでヘンクツ、ちょっぴりナル(シスト)が入っていて、何よりプライドが人一倍高い。オタク的なところも多々ある。かなりヘンな奴なのである。toshibonもイチローと同じ天秤座B型だからわかるのだ(ほんとか?)。だから、今回の活躍と言動(特に愛国的な)でにわかファンになったという人は、そのうち裏切られるかもしれない。それもまたイチローらしいとは思うが。


それにしても、オリンピックでの急ごしらえの球場ではなく、メジャーリーグの球場、それも大観衆の中での試合。やっぱり野球のNO.1を決めるとしたら、こうでなくては。あと、メキシコには感謝しても感謝したりない。コロナビール最高! フリーダ・カーロありがとう! ミル・マスカラス万歳! なんのこっちゃ?