Toshibon's Blog Returns

髪結いの亭主 物書きの妻

緑の光線

「グリーン・フラッシュ(Green flash)とは、太陽が完全に沈む直前、または昇った直後に、緑色の光が一瞬強く輝いたようにまたたく、非常に稀な現象。緑閃光ともいわれる。地球の丸みに沿った大気によって、太陽光はプリズムによって曲げられるのと同じように屈折するが、大気の波長分散によって短い波長の光だけが届く条件で、大気のゆらぎによってまたたくものと考えられる。見られる確率が非常に小さいことから、グリーン・フラッシュを見たものが幸せになるという言い伝えがある」(Wikipediaより)。


「緑の光線」というタイトルの映画がある。今年1月に亡くなったフランスの映画監督、エリック・ロメールの1986年の作品。主人公の女性は自分中心で空気の読めないわがまま女で、そのくせメソメソしてすぐ泣く。そういえば見ていてイライラするこんな女性、自分のまわりにもいたよな、どうにかならんものかと思っていると、最後に彼女は旅先で知り合った男性と一緒に緑の光線を見る。そのラストシーンで、彼女の寂寥感が癒されたようでほっとする、ロメール監督作品の中では一番好きな映画だ。

この映画を見てから、海に沈む太陽を、水平線に落ちる直前直後に目を凝らして見るようになった。残念ながら今に至るまで「緑の光線」には遭遇できていないのだが、ロメール映画の主人公のようにウジウジ、メソメソしたところがあるtoshibonなので、そのうち旅先で知り合った女性と一緒に見られる日がこないとも限らない。そしたら今より幸福になれるかな…(と、妄想世界に突入)。

緑の光線 (エリック・ロメール コレクション) [DVD]
緑の光線 (エリック・ロメール コレクション) [DVD]
紀伊國屋書店
2007-05-26
DVD