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髪結いの亭主 物書きの妻

一戸町の御所野遺跡

奥州街道に関わる資料づくりのために岩手県北部の一戸町へ。泊まりがけの仕事だったので、ついでに一戸町にある御所野遺跡に立ち寄ってみた。というのも、JR東日本の広報誌「トランヴェール」の最新号に高橋克彦氏が次のように書いていたのを、一戸へ行く前にたまたま読んだから。


「三内丸山は縄文時代の巨大なテーマパークのようであり、大湯ストーンサークルは美しい自然公園のように感じられるが、御所野は縄文時代そのものにタイムスリップしたような気分になる」


駐車場から遺跡に行くには、「きききのつりはし」という屋根の架かった吊り橋(歩道橋)を渡っていく。橋がカーブしていて出口が見えないのが、60年代にNHKで放映されていた「タイムトンネル」のようで、未知の世界への期待感をふくらませる。


御所野遺跡(国指定史跡)は縄文時代中期の大規模な集落群の跡で、広大な跡地は御所野縄文公園として整備され、遺跡の一角には縄文博物館もある。だが今はまだ一面の雪に覆われていて、発掘されたストーンサークルも雪に埋もれていた。


それでも雪原を歩きながら、復元された竪穴住居をいくつか見ることができた。

御所野遺跡では600棟もの竪穴住居跡が見つかり、土を屋根の上に盛ったこのような土屋根住居が全国で初めて確認された。地面を掘りさげて造られた住居の内部は思いのほか広い。
見学者のためなのか(私ひとりしかいなかったが)火が焚かれていて、その煙に反応するかのようにひとすじの陽光が住居内に差し込んでいた。