Toshibon's Blog Returns

髪結いの亭主 物書きの妻

房総の旅⑴ 銚子~勝浦

先週、5日ばかり、食文化(魚醤)調査の仕事で千葉県の房総半島を旅した。銚子から九十九里、外房をめぐって再び銚子に戻るというルートで、移動にはレンタカーを利用した。


寒いのが苦手で海が好き、というヒヤミコキな私は、以前から老後は温暖な房総半島か伊豆半島の海のそばで暮らしたいと夢想し続けていて、妻や友人たちから呆れられているのだが、その割には房総半島とは縁が薄く、これまで2回しか行ったことがない。1回目は40年も前の大学1年生の夏、館山にあった大学のセミナーハウスで夏期講習を受けた時。2回目は数年前、JRの大人の休日倶楽部会員パスを利用して外房線、内房線を電車でぐるっとひとまわりした時。なので、銚子と九十九里浜は今回初めて訪れた。


銚子港は日本屈指の漁港、なかでもイワシの水揚量が多い。お昼に食べたのは、郷土料理のイワシの「なめろう」。昼から日本酒が欲しくなる。


イワシが大量に獲れたことから、昔から魚醤がつくられていたのではと期待していたのだが、何しろ銚子は醤油づくりが盛んな土地柄。魚醤文化は痕跡をとどめず、調査は不発に終わった。ただし、数年前から魚醤づくりに取り組みはじめた水産加工会社が一社だけあり、イワシ、タイ、ホウボウによる魚醤を製造、販売していた。


宿は犬吠埼のそば、眼前に太平洋が広がる。日本海側ではお目にかかれない水平線から昇る朝日を見ようと、日の出の時刻にアラームをセットしたのだが、あいにくの曇り空で見ることは叶わなかった。


早起きしたついでに、宿から灯台のある犬吠埼の突端まで歩く。途中、遊歩道脇に彼岸花(曼珠沙華)が咲いていた。


下総の国・銚子から上総の国・勝浦へ。勝浦でのお目当ては朝市。勝浦港で水揚げされた魚介類、魚の干物や地場産の野菜を扱う露店が通りに並ぶ。


400年以上の歴史があり、なんでも日本三大朝市のひとつだとか。あとのふたつは能登の輪島と飛騨の高山という。が、買い物客がまばらで、いまひとつ活気がない感じ。泊った宿の女将さんも、出店が減って、かつてのような賑わいがなくなったと嘆いていた。


何やら芳ばしい香りのする露店の店先。お父さんと幼い姉妹の親子が見つめているのは…。
七輪で焙ったカタクチイワシの干物。味見はタダ。


郷土資料を閲覧しようと訪ねた勝浦図書館の隣に覚翁寺という浄土宗のお寺があり、ここの境内にも彼岸花が咲いていた。
 


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