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髪結いの亭主 物書きの妻

続・東京日記 勝どき交差点の上と下

今からちょうど20年前の90年代末、はじめて宿ったころの勝どきは交通不便なところで、公共交通機関といえば東京駅からの都バスしかなかった。それが一変するのは、2000年12月の地下鉄大江戸線勝どき駅の開業。それから周辺の再開発が一挙に進み、翌年4月にオフィスビル+商業施設+住居群が複合した「晴海アイランドトリトンスクエア」が開業したことで、勝どき駅の利用者が一挙に倍増する。さらに2000年代末から「勝どきビュータワー」に象徴される高層マンションの建設ラッシュが拍車をかけ、勝どき駅の1日の平均乗降客数は開業当初の約2万7千人から、2017年には10万2千人を超えた。都営大江戸線では新宿駅(約14万人)、大門駅(約13万人)に次ぐ第3位。乗り換え連絡線のない単独の駅としては1位というから、開業時には思いも及ばなかった想定外の数字だろう。


というわけで、開業当時の4倍という急激に増加した駅利用者に対応するための大規模改良工事が2010年ころから始まった。島式の既存のホーム(1面2線)とは別に大門・六本木方面専用の新設ホームと、一体化したコンコースをつくるというもので、総事業費は16億円! そして一昨日(11日)、ようやく新ホームの供用が開始された。


それにしても長かった。勝どき交差点を渡るたびに、いつ終わるのだろうと思っていた駅改良工事が一段落することで、この20年にわたって大きく変貌し続けてきた勝どきも、これで少しは落ち着くのかと思いきや……実はそうでもないらしい。現在、豊洲駅が終点となっているゆりかもめ(東京臨海新交通臨海線)が勝どきまで延伸する計画があるというではないか。そうなったら今以上の混雑が予想されるんじゃあ?
ただ、中央区は延伸を強硬に反対していて、代わりに都心部と臨海部を結ぶ地下鉄の新規建設を主張しており、そちらのほうが実現性が高いともいわれている。加えて臨海部の都市計画(道路整備)として、交差点で晴海通りを地下にもぐらせるアンダーパスと、さらにその下部(深部)に首都高速10号晴海線の建設が予定されているという。


今後も勝どき交差点は、波乱含みというか、地上、地下ともこれまで以上の大規模工事が行われ、変わり続けることになりそう。まあ、地下鉄新線(あるいはゆりかもめ)の新駅ができるとしても、それまで私はたぶん生きていないから、見届けることはかなわないだろうけどね……


参考サイト
http://mirai-report.com/blog-entry-1422.html


タワーマンションがそびえる勝どき交差点。地上も地下も、めまぐるしく変貌をとげる東京という大都市を象徴しているかのような場所だ。


供用前日の2月10日に撮影した新設ホーム(大門・六本木方面)。手前(右側)は島式の既存ホームで門前仲町方面のみの利用となる。乗車するのは反対側になるので、使用しないこちら側には簡易的な柵が設けられている。


大江戸線は線路幅の広い標準軌の採用、トンネル・車体を小さくさせ工費節約を図るなど、いろいろな技術的試みがなされているユニークな地下鉄なんだけど、電車はリニアモーターで動いている(リニアモーターカー)って知ってました? 
上の写真に見えるレールの間の「リアクションプレート」。これが重要な役目を果たしているらしい。私の乏しい知識では説明できないので、こちらのサイト↓を参照のこと。
http://www.asahi.com/special/kotoba/archive2015/danwa/2013060100001.html